グレーンウイスキー｜サントリー知多

今まで多くのウイスキーをご紹介してきましたが、その大半は「シングルモルト・ウイスキー」と呼ばれているものです。
単一の蒸留所で作られる大麦（モルト）を原材料としたウイスキーを指します。
この他にご紹介したウイスキーは「ブレンデッド・ウイスキー」でして、複数の蒸留所のウイスキーをブレンドし、ブレンダーが求める味を追求しているものもございます。
大半のウイスキーはこの2つなのですが、少し毛並みの違うウイスキーとして「グレーン・ウイスキー」というジャンルが存在し、皆さまも聞き覚えのある「サントリーウイスキー知多」がこれにあたります。

今回は「サントリーウイスキー知多」をご紹介しつつ、グレーンウイスキーの魅力をお伝えしたいと思います

グレーンウイスキーとは

モルトウイスキーは、大麦のみを原材料としていることに対し、「グレーンウイスキー」は、トウモロコシ、小麦、ライ麦などを原材料としている点に大きな違いがあります。
大麦だけで作るウイスキーは、単一の原材料であることから個性が強くなることが多く「ラウドスピリッツ」（騒がしい）と呼ばれたりもします。

これに対し複数の原材料から作るグレーン・ウイスキーは個性が消されてしまうことが多く、風味が軽くなることから「サイレントスピリッツ」（静かな）と呼ばれています。
また、そのようなことから、あまりグレーンウイスキーを単体で販売するケースも少なく、よって、私達も、普段はモルトウイスキーやブレンデッドウイスキーを口にすることが多くなります。

グレーンウイスキーは、ブレンデッド・ウイスキーを作るときに使われることが多いウイスキーで、単体で飲まれることの少ないウイスキーです。

サントリー「知多」

あまりに有名な「サントリーウイスキー知多」ですが、これはグレーン・ウイスキーになります。
知多が好きな方は多いと思いますが、グレーンウイスキーと知って飲まれている方は少ないように感じます。
前述の通り、グレーンウイスキー単体で売られているウイスキーは非常に少なく、「珍しいウイスキーを口にしている」とも言えます。

愛知県の知多蒸溜所は、このグレーンに特化した蒸留所となり、サントリーのブレンドウイスキー（響や角瓶）の原材料となっているのですが、そこが「グレーン単体で飲むべし」として販売されているものが「サントリー知多」となります。
ラベルにも「SINGLE GRAIN JAPANESE WHISKY」（シングル・グレーン・ジャパニーズ・ウイスキー）と誇らしげに描かれています。

味わいはグレーンらしく、軽やかで穀物由来の甘みを感じることができます。
シングルモルトならではの強い個性を主張してきていませんが、口当たりの良さ、飲みやすさがあり、多くの飲食店で提供していることも、ここが理由なのかもしれません。
クセがなく、万人に受けると書きますと平凡に感じてしまうかもしれませんが、それはそれで価値のあることでして、実に美味しいウイスキーとして仕上がっています。

最後に

それほど多くのグレーンウイスキーが出回っている訳でもなく、私も実はグレーンウイスキーは知多しか飲んだことがありません。
ですので、他のグレーンウイスキーとの比較なども出来ず、情けない限りです。
グレーンウイスキーは「ブレンド・ウイスキーを作るための原料の1つ」のように位置づけられてしまいがちですが、知多のように単体で美味しいグレーンも存在します。

Heiando Barにもグレーンは知多しか置いてありませんが、他のBARで見つけたら試してみたいと思います。
また、こうやってBARに行く楽しみが1つ増えてしまいました！

〈補足2021年4月8日〉
このコラムを書いた矢先、新しいグレーンウイスキーをバーテンダーが仕入れてくれました！
キリンから発売されている「富士」
こちらのコラムもお楽しみください！

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