ジンのお勉強|初心者向け

前回、ジャパニーズ・ジンの代表「季の美」のコラムを書かせて頂きましたが、そもそもジン(Gin)について、あまり触れてきませんでしたので、今回はジン全般のコラムです。
季の美のコラムはこちら

知っている方には当たり前の内容ですが、「ジンと言えばジントニック」くらいしか思い浮かばない方には是非お読み頂き、ジンの楽しみ方が増えたら幸いです。

ジンをベースにした代表的なカクテル「ギムレット」

ジンとは?

前回のコラムでも書かせて頂きましたが、ジンは、ウイスキーやウォッカなどと同じ穀物を原料とする蒸留酒です。
スコッチ・ウイスキーはモルト(大麦)を原料と指定していることに対し、ジンは穀物の指定はありません。
(大麦、ライ麦、とうもろこし、じゃがいもなどが多いようです)
ジュニパーベリーというヨーロッパで広く生育している西洋ネズの木の実を使うことがルールです。
これに、ボタニカルと呼ぶ、様々な植物の成分を配合し、ブランドごとの味わいを出しています。

かなり端的に言うと、ジュニパーベリー風味の蒸留酒に、様々なボタニカルで味わいの違いを出しているアルコールとなります。

Heiando Barにあるジンを並べてみました。

オランダの薬からロンドンへ

ジュニパーベリーは、薬効成分があり、入手もしやすいことから、ヨーロッパでは漢方的に扱われていました。
ジンのルーツも、オランダで作られていた「薬」としての飲み物です。
その歴史は古く、14世紀には、このジンの原型となるジュニパーベリーを使ったアルコール・ドリンクは、オランダの医者の常備薬になっていたそうです。

これに様々なボタニカルが加わり、風味豊かになり、嗜好品として重宝されるようになり、「お酒としてのジン」に変遷していきました。

工業化がいち早く立ち上がったロンドンで、当時の最新設備を用いた、現在のジンのようなキレ味あるジンが作られるようになり大流行。
オランダ生まれのジンですが、現在は「ロンドン・ジン」と呼ばれたりするように、ロンドン発祥のお酒のように扱われています。

ジンの楽しみ方


最も有名なカクテル「マティーニ」
知名度で負けてない、ショートカクテルの代表「ギムレット」
最も飲まれていそうなロングカクテル「ジン・トニック」
全て「ジン」がベースになっています。

私はジンをロックやストレートでも楽しみますが、最初にロックで飲んだ時は、控えめに言っても顔をしかめ苦痛を感じるレベルでした。
どのブランドかは覚えていませんが、「冷えた接着剤」を飲んでいるような感じ、そして焼け付くような喉へのアタック。
なかなかの衝撃でした。笑

「季の美」のロック

が、特有のパンチも癖になるもので、いまではジンのロックにライムを絞る「ジン・ライム」が、私の「初夏を告げるお酒」になっています。
ちょっと汗ばむ気候に、キリッと冷えたジンの喉越しは最高です。

クセは強いですが、上記のように、最も有名であろうカクテルの全てがジンベース。
少し薄まると、ほどよいクセと、シャープなキレ味が残り、多くの方に美味しいと思えるお酒に早変わり。
面白いお酒ですね。

様々なジン

ウイスキーと違い、多くの穀物を原料に出来ますし、樽で熟成させる必要もありませんから製造期間も短くて済みます。
ボタニカルで個性を表現しやすいこともあり、一昔前は、それほど多くの選択肢がなかったと記憶していますが、最近は、様々なクラフト・ジンが登場し選択肢も増えてきています。
前回のコラムでご紹介した「季の美」などがその代表ですね。

超王道の4種類。
左からタンカレー、ボンベイ・サファイア、ビフィーター、ゴードン。

「タンカレー」「ビフィーター」「ゴードン」「ボンベイ・サファイア」
この4種類は、BARの常備薬、いや、必ず常備されているジンと言って過言ではない、最もスタンダードなジン。
私もバーテンダーも「タンカレー」が好きということで一致してまして、Heiando Barでは、タンカレーが1番人気ですし、特に指定がなければ、カクテルもタンカレーで作ります。

Heiando Barは、BARとしての規模もありますので、コラム執筆時のジンの種類は、全部で9種類。
思ったより多いなとは思いましたが、スタンダードが中心で、それほど多い訳ではありません。

ジンを飲み比べるには少し物足りないかもしれませんが、多すぎても困る部分ありますので、手始めにはちょうど良いかもしれません。
ジンは、それほど高いお酒ではありませんので、変わったジンを見つけたらトライしてみるのも面白いと思います。

最後に

最初にジンのロックを飲んだときに驚いたと書きましたが、背伸びしたり、格好つけてオーダーした訳ではありません。
ジン・トニックは少し甘みがありますので、甘くない「ジン・ソーダ」を頼むつもりで「ジン・ライム」とオーダーしたら、ロックだったという素人あるあるのオーダー間違えが最初の一杯でした。
ジン・ソーダとジン・ライムを混同してしまっていました。。
私の求めていたドリンクは「ジン・ソーダでライムを絞って」というものが正式ですね。

接着剤みたい・・と思いながら飲んでいましたが、いつまにか好きになっている。
本当にお酒は面白いものです。
ウイスキーやワインあたりは、銘柄でオーダーすることが当たり前になってきました。
ジンにも様々な種類があり、選択肢も増えてきましたので、銘柄で楽しむことも機会があれば試してみてください!

Heiando Barにある(執筆時点)9種類のジン

Heiando Bar ( He&Bar )
漆器山田平安堂が運営する六本木のオーセンティックBAR
港区六本木4-10-5-2F
六本木交差点より徒歩1分
03-6804-6388
お客様単価目安:2,500円〜3,500円くらい(2杯飲んで)
営業時間などの詳細はこちらをご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

漆器 山田平安堂とHeiando Barの代表取締役。 昔はお酒が飲めなかったのに、今ではお酒マニア。 漆器とお酒の魅力を伝えます!