この25年にはロマンがある|ARDBEG 25y(アードベッグ25年)

私の記事をお読み頂いている方は、また「アードベッグかい!」とツッコミが入りそうですが、またまた「アードベッグ」です。
Heiando Barには、10種類のアードベッグが並びましたが、この「アードベッグ25年」は別格です。

25年という長期熟成が、まずをもって別格なのですが、2021年発売の25年には、歴史的背景の面白さが隠されていまして、なおのこと別格さが増しています。
今回は、そんなお話をしたいと思います。

アードベッグ25年を語る前に

「歴史的背景の面白さ」と冒頭に書かせて頂きましたが、それは、2021年、日本において、コロナ禍における禁酒法が施行されたという「笑えない歴史」の話ではありません。
また、面白さと書いておりますが、笑い話という訳ではなく、歴史の中での山あり谷ありのお話になります。

世界的な名声を得ており、世界中に「アードベギャン(アードベックの熱心なファン)」を抱えるに至ったARDBEG(アードベッグ)は、200年以上も遡る1798年に蒸留をスタートしています。
ラベルにSince1815と書かれていますが、これは、販売をスタートした年になります。
長い200年以上にも及ぶ歴史には山も谷もあったということなのですが、1981年に生産を停止せざる得なくなります。

1989年から1996年は生産をしていますが、ごくごく限られた少量生産だったようでして、アードベッグが再び本格的な商業生産に戻りましたのは、1997年にグレンモーレンジィの傘下に収まってからとなり、実に15年以上も商業レベルでの生産が出来なかったことになります。
(2004年LVMHに併合され、現在はLVMHグループの1社となります)

現在は、世界的なウイスキーブーム、安定の後ろ盾と万全な体制のアードベッグですが、操業が出来ないという苦しい時代があったということになります。

2021発売のアードベッグ25年が別格である理由

現在、世界的なウイスキーブームにより、原酒が枯渇している状況です。
ですので、25年という長期熟成のウイスキーは、それだけで大変に貴重であります。

何度か触れましたが、25年と表記されているウイスキーは、「一番若い原酒が25年」というルールですので、25歳以下のウイスキーは使われていないということになります。

2021年に発売された25年熟成のウイスキーということは、計算すると1995年以前に樽詰めされたウイスキーしか使われていないということになります。

そして、1995年以前のアードベッグは、グレンモーレンジィ(現在はLVMH)傘下になる前の、つまり「アードベッグの原点」であった時代のウイスキーのみで構成されているウイスキーとなります。
原酒の構成は分かりませんが、アードベッグが一番苦しかった時代の原酒達で構成されていることは間違いありません。

これ、ロマンしかないんですよね。
グレンモーレンジィやLVMHの傘下になったから味が落ちたや品質が落ちたなんてことはないと思います。
しっかりとした後ろ盾があることで全体のクオリティがアップしたのかもしれません。
ただ、そのような話ではないような気がします。
お酒のロマンという部分のお話は。

限りある原酒、原点の、そして苦しかった時代のアードベッグが25年の月日を越えて届いてきた。
これが、今回ご紹介する2021年に発売された25年が別格である所以のお話でした。

テイスティング・ノート

私はただただ、芳醇で強烈な香りに圧倒されてしまいました。
以下は、バーテンダー木村の表現です。
香りは、ヨードを感じるピートスモーク。その後、マスカット系の爽やかな香り。
味は生クリームのようなクリーミーな舌触り。レモンケーキのような柑橘系。時折、舌に感じられる唐からしのようなスパイシーな感じが特徴的。
そして、余韻で、また生クリームのようなクリーミーさが戻ってくる。

とのことです。

立体感ある厳ついパッケージ。25年間、ドラゴンを閉じ込めた「檻」をイメージしているそうです。

最後に

当たり前のことではありますが、これだけの貴重な原酒を使っていますし、25年も樽に詰めて寝かせておく必要がございますし、世界的なウイスキーブームでウイスキーの価格が高騰している部分もございますので、1杯のご提供価格は10,000円(30ml・税・サ別)とHeiando Barでは抜群に高いお酒になっています。
(ハーフショットでのご提供も可)

金属のような質感で高級感あるボトルなのですが、撮影が難しい。。

私も、ウイスキーが好きですので、他のBARに行った時、珍しいウイスキーがあると、少々高くてもついつい飲んでしまいますが、正直、値段のことを考えたら飲めないです。
手頃で美味しいお酒はございますし、10倍高いから10倍美味しい訳でもないように思います。
私も、自分の懐と相談しながらレアなウイスキーを楽しむしかありませんが、そこにコスパみたいな価値観はありません。
今回のようなロマンを感じたり、二度と味わえないものを体験する価値観だと思っています。

今回ご紹介しました「アードベッグ25年」も、何も知らずに飲むより、もしかしましたら、この記事を読んで飲んで頂けましたら違った価値観が見えてくるかもしれませんし、より美味しく感じて頂けるかもしれません。
そんな一助になれば幸いです。

《ご参考|Heiando Barにあるアードベッグ一覧》
無くなり次第終了のボトルもございますのでご了承ください

アードベッグ5年(ARDBEG 5y)
アードベッグ10年(ARDBEG 10y)
アードベッグ アン・オー(ARDBEG AN OA)
アードベッグ ウーガダール(ARDBEG UIGEADAIL)
アードベッグ コリーヴレッカン(ARDBEG CORRYVRECKAN)
アードベッグ ブラック(ARDBEG BLAAACK)
アードベッグ トリー・バン 2nd(ARDBEG TRAIGH BHAN)
アードベッグ アーーーーーードベッグ(Arrrrrrrdbeg!)
アードベッグ スコーチ(ARDBEG SCORCH)
アードベッグ25年(ARDBEG 25y)

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私はアードベギャン|アードベッグ・ブラック
アードベッグ勢揃い!|アードベッグ5年& Etc.
新着レビュー|アードベッグ トリー・バン
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Heiando Bar ( He&Bar )
漆器山田平安堂が運営する六本木のオーセンティックBAR
港区六本木4-10-5-2F
六本木交差点より徒歩1分
03-6804-6388
お客様単価目安:2,500円〜3,500円くらい(2杯飲んで)
営業時間などの詳細はこちらをご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

漆器 山田平安堂とHeiando Barの代表取締役。 昔はお酒が飲めなかったのに、今ではお酒マニア。 漆器とお酒の魅力を伝えます!