ご存じの方も多いかと思いますが、私は「漆器 山田平安堂」という漆器店を営んでいまして、「漆のある空間」を体験して頂きたいとの想いからHeiando Barを立ち上げ、このように「お酒にまつわるコラム」を書いております。
この漆器店の方なのですが、契約満了というタイミングではありましたが、コロナ禍の影響を受け、リアル店舗を維持するリスクが非常に高いことから、COREDO室町店を更新せず閉店いたしました。
(現在は、代官山本店とGINZA SIX店が直営店となります)
最終日に撤収作業を終えたのですが、やはり寂しさや口惜しさ、残念さがあり、Heiando Barで一杯飲んで帰ろうと立ち寄ったのですが、その時、バーテンダーの木村が私に作ってくれた2杯のカクテルが「プレリュード・フィズ」と「スターティング・オーバー」。
いずれも、私は初めて飲むカクテルでしたが、とても美味しかったですのでご紹介をしたいと思います。
プレリュード・フィズ
喉が渇いていましたのでロングスタイル(一般的には炭酸で割ったカクテル)でお任せとオーダーしたところ出てきたカクテルが、この「プレリュード・フィズ」
プレリュード(Prelude)の意味は「前奏曲」「前触れ」「前兆」
軽い飲み口ですので、食前に軽く飲むというような意味合いで「プレリュード」と命名されたのかもしれませんが、おそらくバーテンダー木村の意図としては、新しいスタート、新しい成長への「前奏曲」として作ってくれたのではないでしょうか。粋な計らいです。
レシピはちょっと特徴的で、
カンパリ3、カルピス2、レモンジュース1をシェイク。
グラスに注いで炭酸で割るスタイル。
(カクテルブックには、ロックグラスに注ぐと書かれているものも多かったですが、HeiandoBarでは変則的にワイングラスで提供)
レシピにある通り、甘みをカルピスで出しています。
カルピスを使ったレシピですから、日本生まれのカクテルな気がします。
カルピスという意表を突く副材料なのですが、深み、丸み、複雑さが出ています。
カンパリとレモンのお陰で、決して甘ったるくはならず、爽やかな飲み口であるにも関わらず、複雑で奥深い甘みがあり、カクテルとして秀逸だなと思わされた味です。
万人受けする飲みやすいカクテルですが、BARならではのカクテルとも言える一手間、一工夫があり、オススメの一杯です。
スターティング・オーバー
2杯目は、1杯目が炭酸割りでしたので、ロングスタイルではないもの。
そして、一杯目のストーリーにプチ感動しましたので、同じように「今日(閉店日)に相応しいカクテルを」と頼みました。
苦笑いしながら、ちょっと考えて出てきたカクテルが「スターティング・オーバー」
意味は「やり直す」というところでしょうが、「新しいスタート」という意味合いで作ってくれたのだと思います。
こちらのレシピは、
ジン1、ブランデー1をステア(かき混ぜる)というシンプルなもの。
正式レシピはこちらで終わりですが、Heiando Barでは、オレンジピールで香り付けしています。
ジンとブランデーを使っているカクテルは非常に珍しい組み合わせです。
そして、お酒とお酒で作っているカクテルですので、パンチがあります。
ブランデーの芳醇な香りが、単体で飲んだ印象よりもジンの切れ味でシャープになり、これもまた、なかなか美味しいカクテルでした。
正式レシピから少しアレンジとなりますが、オレンジピールの香りがリラックスできる感じで心地よかったです。
パンチ(アルコール度数の高い)のあるカクテルでしたし、疲れもありましたので、この日はこちらで終了。
前向きな気持ちになれました!!
最後に
普段はこのような曖昧なオーダー、バーテンダーさんを悩ますオーダーはしませんが、たまには面白いですね。
知らないカクテルを試すきっかけになりますし、ツボにはまればプチ感動も出来ます。
バーテンダーさんは神様じゃありませんので、100発100中でツボなカクテルを出してくれる訳でもないと思いますが。。
少し顔なじみのBARやバーテンダーさんがいましたら、こんなオーダーも楽しいと思いますよ!
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感動したカクテル|ブルドッグ
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漆器山田平安堂が運営する六本木のオーセンティックBAR
港区六本木4-10-5-2F
六本木交差点より徒歩1分
03-6804-6388
お客様単価目安:2,500円〜3,500円くらい(2杯飲んで)
営業時間などの詳細はこちらをご覧ください。