最初の投稿は|めし椀のススメ

前回のプロローグで書かせて頂きましたが、やはり、ブログ的なものは、まだまだ腰が重いです。
書くネタに困らないのに、何から書けばスマートかなど、色々考えてしまって筆が進まない状態です。

やはり最初の投稿は「めし椀」

何度も、弊社HPでも書いておりますし、どんな講演でも話しをしています。
すでに平安堂を好きでいてくださったり、HPを良くみて下さっている方にとっては、新鮮さのない内容で申し訳ないのですが。。
ただ「めし椀の普及」は私のライフワークみたいな部分もありまして、やはり最初の投稿はこれかなという部分ございますのでお読み頂ければと思います。

まず、私や平安堂ではめし椀と呼んでいますが、お勧めしていますのは一般的には茶碗となります。
茶碗は磁器や陶器。
我々がオススメしているめし椀は漆器。
陶器や磁器は土や石が原料ですが、めし椀は木です。

この「木」で出来ているというのがポイントです。
木は熱伝導率が低い。
つまり、断熱性が高く保温性につながる天然の機能美です。


(天然の木をくり抜き、漆を塗り重ねていきます)

これに加えて、軽量であり、割れにくいという部分もございます。
まあ、お椀くらいの大きさですと、それほど軽量のメリットは出ませんが、
割れにくいというのは、お勧めポイントの1つではあります。

私は漆器屋の息子として育ちましたので、陶磁器の茶碗は使ったことがありませんでした。
基本的に、漆器、つまり木のお椀でご飯を食べてきました。

一般的には「なんと贅沢な」という話なのかもしれませんが、漆器屋ですので当たり前と言えば当たり前です。

そして、基本的に漆器でご飯を食べる生活が前提でしたので、これが広く一般的なものだと思っていました。
だんだん大人になり、現実は、漆器でご飯を食べる人がほとんどいないということを知った次第でございます。

私が「めし椀」を、木製のお椀を強く推す理由は、漆器屋だからではありません。
いや、漆器屋だからという部分はありますが、心から、漆器のめし椀が優れていると信じているからです。

日本は、器を手に取る数少ない食文化の国です。
器と手に取るということは、器の熱伝導率は大変重要です。
鉄の器や陶磁器の器に熱々の汁物を入れたところ想像してください。
とても手に取ろうと思えないですよね。

ご飯も一緒です。
炊きたての熱々で美味しそうなご飯。
やはり、器が熱くなってしまっては・・・です。

幼い頃から木の器に親しんできたことは書かせて頂きましたが、外食に連れて行って貰い、陶磁器に盛られたご飯が出てくると「なんて熱くて使いにくい器なんだ・・・」と幼心に思っていたものです。

私が見ている範囲での話ですが、陶磁器にあつあつのご飯を入れると、みなさん、手にとった時の姿が美しくないです。
器が熱いので、つまむように持たざる得ませんから。


(このように、つまむように持ってしまう方が多いです)

その点、木の器であれば、少しは熱いかもしれませんが、きれいな姿で持てます。
所作が美しいと言えばちょっと大袈裟かもしれませんが、変な姿にはなりません。
美しい姿勢で食事をとる。
テーブルマナーとしても、日本の食文化の観点からも大事なことです。


(しっかりお椀に手を添えるように持てたほうが美しいですね)

熱いものを入れる器=木の器
これは、歴史や文化を背景にした必然なんですね。
日本では。

私は押し売りが苦手でして、あまり強く物を売れません。
商売人失格です。

ただ「めし椀」は、色々な人に押し売りしています。
たいがいの方は、めし椀、使って良かったと言ってくださいます。

漆器が必ずしも必然でなくなってきた現代ですが、是非、一度、必然を味わえる器としての「めし椀」お試しください!

関連リンク
女性の手にある「めし椀 欅」はこちら
私が自宅で使っている「めし椀 薄挽 木地溜」はこちら
HP特集記事「めし椀のススメ」はこちら
お椀の製造工程動画はこちら