ヒルサイドテラス|50周年の価値(2)

前回、ヒルサイドテラスの凄みとして「50年に渡る街づくり」について書かせて頂きました。
前回の記事はこちら

今回は、前回書ききれなかったもう一つの凄み「一環したデザインによる十数棟の建築群」について書きたいと思います。


(代官山で一番好きな景色です。代官山は空が広く見える街だなと思います)

1969年にA棟、B棟が竣工し、1998年に、現時点では最後の建築物となっている、ヒルサイドウエストが完成。
30年に及ぶ、そして7期に渡る長期的な取り組みにより、現在のヒルサイドテラスという1つの街づくりが行われました。


(これが50年前に完成したヒルサイドテラスA棟。良いデザインは色褪せませんね)

有名な逸話として、このヒルサイドテラスは、日本を代表し、世界的に有名な建築家「槇文彦氏」により、その全てのデザインが行われていることです。
(付け加えるのであれば、施工も全て清水建設さんが行っているとのこと)

足かけ30年に渡ったブロジェクト、十数棟に渡る建築群を1人の建築家が手掛ける。
ロマンを感じます。
壮大なスケールで感動を覚えます。
(槇文彦氏の代表的な建築物に関しては、こちらのページが良くまとまっています)


(50周年記念パーティで祝辞を述べられた槇文彦氏)

オーナーと槇文彦氏との絶大なる信頼関係。
そして、強い信念により、このヒルサイドテラスという稀有な、街と呼べる建築群が完成されたことになります。

そして、誠に素晴らしいと感じることは、30年に渡り建築されたものがとても高いレベルで調和されていることです。
1人の建築家によるものであるから。
言ってしまえば簡単ですが、30年前と30年後の世界では、デザインの流行も違うように思います。
30年前の建物も、30年後の建物も、色褪せることなく調和している。
これが「デザイン」なんだなぁと感心するばかりです。

正直、知れば知るほど、代官山ヒルサイドテラスに入居していることが誇り高く感じられます。

「素晴らしいもの」
この定義は無限にありそうですが、ヒルサイドテラスのように、時流に流されることなく、普遍的な価値観を提供し続けることは、大変な価値があり、表現は平凡ですが「素晴らしいもの」だなと心から思います。

ヒルサイドテラスは、建築群としては一定の完成としているのだろうと思います。
新しい計画なども聞いていませんし。
(知らないだけかもしれませんが)

今は、これらのハードから、よりソフトを重視した活動に切り替えているようです。
アートを含めたイベントが増えてきていまして、ヒルサイドテラスを1つの核に、文化的な魅力を高めているようです。

代官山はコンパクトな街ですし、その中核をヒルサイドテラスが担っていますので、良い意味で街の方向性を鮮明にしやすい部分あると思います。
強い信念を持つことに優れた方々と思っていますので、きっと、ソフト面においても完遂しきり、また、多くの方々に愛される街になるのではないかなと思っています。
そして、ヒルサイドテラスの一員として、少しでもお手伝いが出来ればとも思います。

私が代官山やヒルサイドテラスを語るなんて、甚だ僭越とは思いましたが、50周年という節目に居合わせることが出来ましたので、稚拙で申し訳ないと思いつつ、つらつらと書かせて頂きました。

=過去の投稿=
0|プロローグ
1|めし椀のススメ
2|黒越誠治という男
3|なぜ漆器が栄えたのか?
4|ヒルサイドテラス50年の価値(1)

ABOUTこの記事をかいた人

漆器 山田平安堂とHeiando Barの代表取締役。 昔はお酒が飲めなかったのに、今ではお酒マニア。 漆器とお酒の魅力を伝えます!