アードベッグ(Ardbeg)は、2019年より、毎年、少量生産(スモール・パッチ)ではあるものの、19年の長期熟成を「トリー・バン(TRAIGH BHAN)」という名称で販売をしています。
2020年が2ndパッチ(パッチ2)となり、今年2021年に発売されたものが3rdパッチ(パッチ3)となりまして、入手がなかなか難しい中、本年も無事にHeiando Barに届いてまいりました。
昨年の2ndパッチの際に、「アードベッグで一番美味しい」というテンションでコラムを書きましたので、そちらも読んで頂ければと思いますが、今回は、3rdパッチ、2021年版のご紹介です。
(2ndパッチのコラムはこちら)
見た目は一緒なるものの・・・
まず、ラベルのデザインですが、3年間同じデザインです。
同じシリーズですので、当たり前と言えば当たり前なのですが、肝心の中身、つまり「味」は毎年違っています。
自然由来のお酒ですので、毎年同じように作っても微妙に味が違う部分はあると思いますが、そうではなく、こちらのトリーバンは、意図的に味を変えていますので、同じシリーズであっても別物です。
ボトルデザインが一緒だと同じ味のように思ってしまい紛らわしいのですが、毎年、何かしらの意図で、しっかり味を変えてリリースしている面白さがトリーバンにはあります。
表側で違うところは、下の部分。
ここは、瓶に詰めた日時や当時の天候などを今までは記載しています。
2020年発売のパッチ2のラベルには「Under a thick haar」
たぶん、曇り空というニュアンスだと思いますが、その気候で瓶詰めされたという表記です。
瓶詰めする日の天候が、どれほど味を左右するのか分かりませんし、おそらく、ほとんど左右はしないと思いますが、過去は天候を書いていました。
2021年発売のパッチ3は、なんと「In a lockdown」
洒落たことをしているのか、皮肉を込めているのか分かりませんが、天候ではなく、ロックダウン中に瓶詰めされたとの記載。
私は皮肉を込めての記載だと思いますが、こんなところがアードベッグファン、アードベギャンは響いたりしています。笑
味、香りは・・
昨年、「最高の美味しさ」としてご紹介したパッチ2に続き、パッチ3をいざ試飲!
両方の香りを楽しみましたが、パッチ3は開栓したてで少しアルコールの匂いが強いです。
これは、開栓したてのウイスキーにありがちな現象。
10分ほど置いておき、少し馴染ませてから楽しみました。
パッチ3は、パッチ2に比べるとシェリー樽の配合が多いように感じるとのことです。
これは、私ではなくプロであるバーテンダー木村の感想。
私はシェリー樽の熟成が好きなので嬉しい変化です。
パッチ2に比べると柑橘感とオイリー感が少し強く感じます。
飲んだ印象も、柑橘系が少し強い分、軽いタッチに感じました。
嗚呼、贅沢な飲み比べ・・
通常、レアなウイスキーはお客様のために残しておきたいという気持ちもございますので、レビュー用にハーフショットを楽しみましたら、それ以上は飲まないようにしています。
今回は、少しだけルールを破り、レビュー用という大義名分のもと、昨年のパッチ2もハーフで出してもらい、パッチ2、パッチ3の、なんとも贅沢な飲み比べをさせて頂きました。
(もちろん支払いはしています!)
このクラスのウイスキーとなりますと、飲み比べと書いていますが、どちらも問答無用に美味しいです。
個人的な嗜好で言えば、昨年のパッチ2の方が厚みを感じられ美味しく感じましたが、少し柑橘を感じるパッチ3を美味しいと感じる方も同じだけいらっしゃると思います。
このあたりは、好みの問題かなと思います。
ここに3本のアードベッグの写真を並べました。
左が2020年のトリーバン・パッチ2。
右が2021年のトリーバン・パッチ3。
真ん中が、パッチ2とパッチ3の間にリリースされた「Arrrrrrrdbeg!(アーーーーーードベッグ)」。
左から右にリリースされた順番で並んでいます。
これを見てピンとくる方は、筋金入りのアードベギャン(アードベッグをこよなく愛する人達の愛称)だと思います。
真ん中のArrrrrrrdbeg!(アーーーーーードベッグ)は、長きに渡り蒸留責任者を務めいてた「ミッキー・ヘイズ氏」が引退をされ、その功績を讃えてリリースされた記念ボトルです。
もともと、パッチ1、パッチ2とテイストを変えてきていますので、今回のパッチ3も味を変えてくることは分かっていたのですが、今回で言えば、蒸留責任者が変わっているという大きな変化があってのパッチ3ということになります。
「だから何だ??」と言われそうではありますが、そんなことを想いながら「飲み比べる」幸せは、単にレアなウイスキーを飲んでいる以上の幸せでした。
私もアードベギャンの下っ端ですので。
パッチ2とパッチ3の間に起きた蒸留責任者の交代という背景と共に味わう、今回ならではの、なかなか贅沢な飲み比べとなりました。
幸か不幸か分かりませんが、日本でも令和の禁酒令が発令されHeiando Barも休業が続いていましたので、ご紹介した3本のアードベッグもあまり減らずに残っています。
いずれも、飲み終われば終了となるボトルですので、興味を持たれましたら、是非、お早めにお試しください。
少し高いですが、全てハーフショットでのご提供も可能です。
なお、このコラムをお読み頂いている方はご存知かと思いますが、このパッチ3が入荷しましたことで、アードベッグが11種類になりました。
ちょっと自慢できるレベルまで来たかなと自己満足しています。
飲み終われば終了のボトルもございますが、現時点でのラインナップを記載しておきます。
ご参考ください。
アードベッグ5年(ARDBEG 5y)
アードベッグ10年(ARDBEG 10y)
アードベッグ アン・オー(ARDBEG AN OA)
アードベッグ ウーガダール(ARDBEG UIGEADAIL)
アードベッグ コリーヴレッカン(ARDBEG CORRYVRECKAN)
アードベッグ ブラック(ARDBEG BLAAACK)
アードベッグ トリー・バン 2nd(ARDBEG TRAIGH BHAN 19y 2nd)
アードベッグ アーーーーーードベッグ(Arrrrrrrdbeg!)
アードベッグ スコーチ(ARDBEG SCORCH)
アードベッグ25年(ARDBEG 25y)
アードベッグ トリー・バン 3rd(ARDBEG TRAIGH BHAN 19y 3rd)
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この25年にはロマンがある|Ardbeg 25y(アードベッグ25年)
漆器山田平安堂が運営する六本木のオーセンティックBAR
港区六本木4-10-5-2F
六本木交差点より徒歩1分
03-6804-6388
お客様単価目安:2,500円〜3,500円くらい(2杯飲んで)
営業時間などの詳細はこちらをご覧ください。