スコッチの地域紹介|ハイランドとローランド

スコットランドのウイスキー、スコッチのご紹介が多く、そして今までは、個別ブランドの紹介が多かったかと思います。
今回は、少し趣向を変え、「地域」のお話をしたいと思います。

ワインですと、ブルゴーニュ地方のブルゴーニュワイン、シャンパーニュ地方のシャンパンというように、生産地が全面に出ているケースが多く、ワイン通でない方であっても馴染みのある感覚だと思います。

スコッチにも、地域という考え方がありまして、この場合、代表的な6地域を指すことになります。
具体的には「ハイランド」「ローランド」「スペイサイド」「キャンベルタウン」「アイランズ」「アイラ」となります。

平安堂製「スコッチMAP」

私のコラムに、よく出てくる「アイラらしいピートの効いたウイスキー」という表現がございますが、これが正に、地域の特徴を表現しているものでした。

ウイスキーは、蒸溜所の個性が強く出ますので、地域で同じような味のウイスキーばかりが作られているのかと言いますとそんなこともなく、蒸留所ごとの個性の方が色濃く反映されていると思います。
ただ、基礎知識として知っておくと、ウイスキーの楽しみ方が増えることは間違いございません。

今回は、「ローランド」と「ハイランド」の2地域をご紹介します。

左がハイランド/右がローランドのウイスキー。
ボトルの背が高い、低いとハイランド、ローランドは関係ありません。笑

ハイランド(HIGHLAND)

スコットランドの北側を全て指していまして、面積も広大であり、かつ、スコットランド全体の蒸留所の1/3がハイランドにあります。
ですので、地域の個性というものを明確にしにくい地域です。
規模が大きいので、ハイランドを更に細かく北ハイランド、東ハイランド・・・というように4つに分けたりもするようですが、やはり、ハイランドのウイスキーは蒸留所ごとの個性が強く、地域性は低いと思います。

ハイランドの人気銘柄「クライヌリッシュ」

ハイランドは、有名な蒸留所が多く、有名どころをいくつかピックアップしておきます。
グレンモーレンジィ(GLENMORANGIE)
トマーティン(TOMATIN)
クライヌリッシュ(CLYNELISH)
エドラダワー(EDRADOUR)
ロイヤル・ロッホナガー(ROYAL LOCHNAGAR)
オーバン(OBAN)
ダルウィニー(DALWHINNIE)
アバフェルディ(ABERFELDY)

Heiando Barは、さほど大きくないこともあり、置けるウイスキーの本数も自慢できるほどはございません。
そのような制限がある中でも、ハイランドのウイスキーは7種類ほどご用意しておりまして(執筆時点)、有名な蒸留所が多いことの証左かなと思います。

今日時点では、6ブランド、7種類のハイランド・ウイスキーをお楽しみ頂けます。

ハイランドの楽しみ方は、有名蒸留所巡りでしょうか。
多くのBARで、ハイランド・ウイスキーは数多く取り扱っていると思いますので、いろいろなハイランドを飲み比べながら、「同じハイランドでもこんなに違うんだ」「あっ、この上品な感じハイランドっぽいな」・・・などなど、ハイランドと知って飲むだけで、楽しみ方が増えると思います。

ローランド(LOWLAND)

ハイランドに対して、スコットランドの南側地方で作られるウイスキーをローランドと呼びます。
歴史的にみますと、ハイランドに比べローランドは大都市が多く、蒸留所が少なくなっていった経緯があります。
また、大量生産に向いた「グレーンウイスキー」(ブレンデッド・ウイスキーの原料の一つ)を作る蒸留所に変遷していった経緯もあり、蒸留所そのものは多くありません。

そのような経緯もあり、誰もが知っているメジャー蒸留所は少ないです。
ローランド・ウイスキーを知っている人は結構なウイスキー通だと思いますし、私もあまり飲んだことがありませんし、詳しくもありません。。

特徴は、わりとしっかりありまして「クリア」「軽快なタッチ」のウイスキーが多いです。
アイリッシュ・ウイスキーの影響を強く受けている地域らしく、アイリッシュ・ウイスキーの特徴である3回蒸留(通常は2回)を行っているところが多く、比較的、地域の色が強く出ています。

Heiando Barで唯一のローランド・ウイスキー「グレンキンチー」

ローランドで有名なウイスキーをいくつかピックアップしておきます。
(とはいえ、それほど有名ではありませんが・・)
グレンキンチー(GLENKINCHIE)
オーヘントッシャン(AUCHENTOSHAN)
ブラドノック(BLADNOCH)

この他、ダフトミル、グラスゴーなど、昨今のウイスキーブームもあり、新しい蒸留所や古い蒸留所の復活など、新しい盛り上がりをみせていることもローランドの特徴かもしれません。

ローランド・ウイスキーの楽しみ方としましては、軽快でクリアなウイスキーが多いですので、他のウイスキーと飲み比べてみると、その違いが鮮明に分かり楽しいと思います。
明確に違いますので、これが好みという方も出てくると思います!
メジャーなウイスキーが少ないですので、「ウイスキー通」を演じることもできちゃいます。笑

最後に

まず最初に「ハイランド」「ローランド」ということでご紹介をしました。
地図をざっくり見ますと、この2地域で、スコットランドの80%〜90%の面積を占めていると思いますが、逆に、残りの10%程度の面積に4つの地域と、超有名な蒸留所がひしめき合っているということになります。
第2弾をどの2地域にしようとワクワクしながら、このコラムを書いていますので、ぜひ、次回もお読み頂ければと思います。

=スコッチの地域特集=
ハイランドとローランド
スペイサイドとキャンベルタウン
アイランズとアイラ

Heiando Bar ( He&Bar )
漆器山田平安堂が運営する六本木のオーセンティックBAR
港区六本木4-10-5-2F
六本木交差点より徒歩1分
03-6804-6388
お客様単価目安:2,500円〜3,500円くらい(2杯飲んで)
営業時間などの詳細はこちらをご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

漆器 山田平安堂とHeiando Barの代表取締役。 昔はお酒が飲めなかったのに、今ではお酒マニア。 漆器とお酒の魅力を伝えます!