スコッチの地域紹介|スペイサイドとキャンベルタウン

個別ブランドの紹介とは趣きを変え、前回からスコッチの地域紹介をしております。
(前回のハイランドとローランドはこちら。ぜひ、お読みください)

平安堂製「スコッチMAP」

今回は、タイトルの通り「スペイサイド」と「キャンベルタウン」の2つをご紹介。
初級編レベルですが、知識が増えればお酒の楽しみ方も増えるというものです。
どうぞお楽しみください。

スペイサイド(speyside)

地図をご覧頂ければ一目瞭然ですが、ハイランドの中にございます。
本来はハイランド・ウイスキーの一員ということになるのですが、あまりに蒸留所の密集した地域ですので、独立した地域「スペイサイド」と呼ぶことが一般的です。
スコットランドにある全蒸留所の半数近くがスペイサイドにあり、変動はありますが、生産量の1位〜3位の蒸留所もスペイサイドにございます。

今日現在、スペイサイドは6本でした。

蒸留所の個性の方が、地域性よりも強いのがウイスキーだと思いますが、スペイサイドの特徴は「バランスの良さ」と言われておりまして、初心者の方からウイスキー愛好家まで幅広く唸らせる蒸留所が多数あります。

代表的なウイスキーは
マッカラン(MACALAAN)
ザ・グレンリベット(THE GLENLIVET)
グレンフィディック(GLENFIDDICH)
バルヴェニー(BALVENIE)

知名度抜群で高級ウイスキーの代名詞のようなマッカランは、スペイサイドでは最も小さな蒸留所として有名です。

スコッチの代名詞的な存在「マッカラン」
タイミング悪く、1本のみでした。

ザ・グレンリベットは、「基準となるウイスキー」というコラムを書いておりますのでお読み頂ければですが、ウイスキーの王道中の王道、ど真ん中に位置するスコッチです。

番外編としては、もう何十年も前に終売となっていますが、「黒いウイスキー」としてご紹介コラムを書いていますロッホデューもスペイサイドのウイスキーです。
これは、もう、本当に飲めないウイスキーになっていますので、興味がございましたら、無くなる前にお越しください!!

もう飲めないであろう終売ウイスキー「ロッホデュー」

スペイサイドの楽しみ方はなんでしょうか?
ビッグネームばかりですから、なかなか悩ましいです。
バランスの良いウイスキーが多いですので、Heiando Barのバーテンダーが、グレンリベットをウイスキーの味の基準にしているように、皆さまも、ご自身の基準となるウイスキーをスペイサイドで見つけてみるのも良いかもしれませんね。

キャンベルタウン(Campbeltown)

今回ご紹介する6つの地域の中で、最も小さな規模でウイスキーを生産しているのが、このキャンベルタウンです。
地図をご覧頂くと分かりやすいのですが、半島の先端に位置している、人口5000人を切るほどの小さな港町です。
かつては、アメリカへの輸出の利便性の高さから、30以上の蒸溜所があったようですが、現在は僅かに3蒸溜所となっています。

僅か3つの蒸溜所となり、小さな小さな生産地キャンベルタウンですが、ここには「スプリングバンク(SpringBank)」というウイスキー好きが愛して止まない、一目置かれたスコッチがございます。
「香水」と表現されるスプリング・バンクのウイスキーは、その名に恥じない、素晴らしい香りをもった名作で、Heiandio Barのバーテンダー木村が愛して止まず、私も大好きな銘柄の一つです。

「香水のよう」と評価されるスプリングバンク。

キャンベルタウンの特徴はわりと明確でして、「塩味を感じることが出来る」ところです。
かすかな塩の感じが港町を想像させ、ウイスキーの持つ甘みを引き立てている。
そのような特徴をもったウイスキーとなります。

なお、竹鶴ウイスキーで有名な竹鶴政孝氏は、もう閉鎖されてしまった蒸留所ではありますが、キャンペルタウンにあったヘーゼルバーン蒸留所でウイスキーの製造を学びました。
(スプリングバンク蒸留所が代表的なスプリングバンクというウイスキーの他に、ヘーゼルバーンという名のウイスキーを発売していますが、竹鶴氏が学んだヘーゼルバーン蒸留所は閉鎖されています)

キャンベルタウンの代表的なウイスキーと言いますと、感覚的には「スプリングバンク1択」という感じではありますが。。
3つの蒸留所を書いておきますと、
スプリングバンク(Springbank)
グレンスコシア(Glen Scotia)
グレンガイル(Glen Gyle)

なお、グレンガイル蒸溜所は、スプリングバンクの姉妹蒸溜所になり、麦芽や仕込み水は一緒です。

キャンベルタウンの楽しみ方は、やはり、スプリングバンクを堪能することでしょうか。
スプリングバンク蒸溜所は、代表的なスプリングバンクの他に、ロングロウ、ヘーゼルバーンの3つのラインナップを持っています。
ロングロウは、強烈なピート(燻製っぽい香り)、スプリングバンクはバランス型、そして、ヘーゼルバーンはノンピートといい、燻製香を感じさせない仕上げにしています。
Heiando Barには、代表的なスプリングバンクしか置いておりませんが、3種類を置いてあるBARがありましたら、そのような楽しみ方は良いですね。
というより、私もやってみたいです。

最後に

「ハイランド・ローランド」に続き、今回は「スペイサイド」と「キャンベルタウン」をご紹介させて頂きました。
王道のスペイサイドに、小さな産地ながらスプリングバンクという銘品を持つキャンベルタウン。
対比の面白い2地域でした。
次回は、最終回となる「アイランズ」と「アイラ」のご紹介。
ぜひ、こちらもお読みください。

=スコッチの地域特集=
ハイランドとローランド
スペイサイドとキャンベルタウン
アイランズとアイラ

Heiando Bar ( He&Bar )
漆器山田平安堂が運営する六本木のオーセンティックBAR
港区六本木4-10-5-2F
六本木交差点より徒歩1分
03-6804-6388
お客様単価目安:2,500円〜3,500円くらい(2杯飲んで)
営業時間などの詳細はこちらをご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

漆器 山田平安堂とHeiando Barの代表取締役。 昔はお酒が飲めなかったのに、今ではお酒マニア。 漆器とお酒の魅力を伝えます!