弊社は、オンラインストアに力を入れています。
なんて書きますと今では当たり前すぎるお話ですが。。
なぜ、改めてHPでの販売を記事にしますかと言いますと、弊社のHPで漆器を販売することも、努力することも当たり前なのですが、私が一番のモチベーションになっているポイントは、
「色々な業界にチャレンジできる」
ということです。
(大きな評判を呼びましたプリザーブドフラワーのアレンジ)
この可能性に気がついたのは今から15年くらい前。
2005年くらいだったかと思いますが、本当に興奮したこと、今でも鮮明に覚えています。
具体的に申し上げますと、弊社のHPでは、日々の商いの他に大きな柱を何本か持っていまして、それは2月の「バレンタイン」、3月の「ひな祭り」、5月の「母の日」です。
まったく漆器屋さんが関連するとは思えないイベントに感じられるかと思います。
バレンタインでは、小箱にチョコレートを詰めて販売をしております。
塗りの小箱を使うことで、義理チョコや本命チョコに使う方もいらっしゃるとは思いますが、大切な方に感謝を伝えるギフトという新しい価値観を提案しつつ好評を頂いております。
(バレンタイン限定の絵柄をご用意しております)
ひな祭りでは、人形そのものは「人形の吉徳」さんに提供して貰っている江戸木目込人形を使っておりますが、舞台と言いますか装飾品の部分に平安堂らしさを、漆器屋らしさを詰め込むことで、コンパクトでありながら格調高い、元来の人形屋さんとは一線を画した「雛人形」をご提供することが出来、こちらも好評を頂いております。
(ひな祭りの投稿もございますので、ぜひ一度、ご覧ください)
(花屏風というコンセプトで、コンパクトかつ格調高い雛人形のご提案をしております)
母の日では、重箱や小鉢にプリザーブドフラワーをアレンジすることにより、フレッシュなフラワーの良さとは違った、少し長い時間軸で「ありがとう」が伝わるフラワーギフトの提案を行っております。
これらに共通しているのは、オンラインストアだから成立したということです。
バレンタインは、チョコレート屋さんに行きます。
雛人形が必要であれば、吉徳さんなどの専門店か百貨店でしょうか。
母の日でしたら、絶対、お花屋さんですよね。
皆さまが行かれるお店は。
代官山の本店にチョコレート&小箱を置いたとしても、バレンタインのチョコレートを購入しに来てくださる方は基本的にはおりません。
雛人形もしかり。
母の日のフラワーギフトもしかりです。
(最近は企画が定着してきましたので、ひな人形などは、店舗にも来て頂けるようになりました!)
オンラインストアであれば、お世話になっている楽天市場やヤフーショッピングでは、バレンタイン特集、母の日特集のページが開設されますので、そこに広告スペースを購入すれば戦えます。
戦えると書かせて頂きましたが、他のチョコレート屋さんやお花屋さんと公平にお客様に見て頂くことが出来るようになり、、弊社の提案を皆さまにお届けすることが出来るようになったということです。
提案内容が優れていれば、お花屋さんやチョコレート屋さんよりもクリックして頂け、つまり、多くの方に来店して頂けくことも可能です。
HP本店でも、グーグル検索やヤフー検索に、同じように広告費を支払えば人形屋さんと同等に扱ってもらえます。
グーグル先生は公平です。
今までは
「漆器が欲しい、食器が欲しい」
という方々が弊社の顧客でありましたし、そのような方にご来店を頂いていた訳ですが、HPの店舗を持つことにより、「バレンタイン」「雛人形」「母の日」というニーズののある方々に、企画力があればお買い上げ頂けるようになりました。
これは本当に画期的なことです。
とてつもなく大きなマーケットにアクセス出来るようになった訳です。
何度か書いておりますが、漆器は、明確に斜陽産業です。
ライフスタイルの変化は大きいです。
多くの漆器屋さんは、未来志向ではなくなってしまっています。
しかし、この「オンラインストアのインパクト」に気がつけたことにより、私は随分とポジティブになりました。
これだけで、色々な問題が解決する訳ではありませんが、明るい未来が見えるということは、大変な励みになるものです。
良いものかどうかはお客様が判断するとしましても、やはりモノづくりの会社ですので、自分たちの考えた「良いもの」をより多くの方に見て頂き、そしてご判断を頂く。
この喜びを頂けました。
今までアプローチすることが出来なかった無限のお客様に、私たちの考えた「良いもの」を見て頂くことも出来るようにもなりました。
ネットが万能とは思いませんが、新しい「価値の創造」に大きな力をくれたことは間違いありません。
「リアル店舗」「オンラインストア」いずれも大事ですが、今回は「オンラインストア」について書かせて頂きました。
タイトルに「奇跡」と書かせて頂きました。
少し大げさかもしれませんが、私の感覚的には、それに近い成功体験の1つです。
また、折をみて、リアル店舗についても書いてみたいと思いますので、引き続き、当ブログをお楽しみください。
=過去の投稿=
0|プロローグ
1|めし椀のススメ
2|黒越誠治という男
3|なぜ漆器が栄えたのか?
4|ヒルサイドテラス50年の価値(1)
5|ヒルサイドテラス50年の価値(2)
6|ハイジュエリーと漆
7|辛抱を学んだ龍シリーズ
8|平安堂のひな人形