日本のウイスキーの評価が高まっていることは周知の事ですが、銘柄をあげてと聞けば「山崎」や「白州」「響」を擁するサントリー勢。
ジャパニーズ・ウイスキーの源流の1つ「竹鶴」。
ベンチャー・ウイスキーとして一気に頂点を極めた「イチローズ」などがパッとあがるのではないでしょうか。
残念ながら「富士」をあげられる方は少ないのではないかなと思いますが、この度、キリンが持つ蒸留所「富士御殿場蒸留所」から、「キリン シングル・ブレンデッド・ジャパニーズ・ウイスキー 富士」がリリースされましたので、さっそくレビューしていきたいと思います。
(Kirin Single Blended Japanese Whisky FUJI)
なかなか意欲的なウイスキーで面白味がございます。
キリンのウイスキー
誰もが認める日本のトップ飲料メーカーの1つですが、ウイスキーを作っていることは意外と知られていません。
私も、ずっとお酒のコラムを書いていますが、キリンのウイスキーは1回しか書いていません。
富士御殿場蒸溜所を持っているのですが、昨今のウイスキーブームが背景にあるのかもしれませんが、設備を増強しています。
1回書きましたコラムは、「グレーン・ウイスキーの富士(コラムも是非お読みください)」でして、モルト(大麦)から作るモルト・ウイスキーではなく、雑穀で作るグレーン・ウイスキーのご紹介でした。
設備を増強していると書きましたが、モルト・ウイスキーの製造も始まり、2022年6月に「新しい富士」がリリースされたという経緯になります。
シングル・ブレンデッドの富士
何度かコラムで紹介していますので詳細は割愛しますが、ウイスキーを大きく大別しますと、シングルモルト・ウイスキーとブレンデッド・ウイスキーに分類されます。
シングルモルトは、大麦(モルト)を原料とし、「1つの蒸留所」で作られたウイスキーになります。
ブレンデッドウイスキーは、大麦だけのケース、先に書きましたグレーンウイスキーを使うケースがありますが、「複数の蒸留所」のウイスキーをブレンドすることが基本です。
今回、キリンの「富士御殿場蒸留所」は、世界的に見てもかなり珍しく、というより他であまり聞いたことがないのですが、単一の蒸留所でモルト・ウイスキーとグレーン・ウイスキーを作ることが出来る「実にレアな蒸留所」となり、これまた、他で聞いたことのない「シングル・ブレンデッド」(単一蒸留所でのブレンデッド・ウイスキー)というジャンルのウイスキーを作り出しました!
サントリーさんに例えますと、サントリーが作るモルト・ウイスキーは「山崎蒸留所で作る山崎」「白州蒸留所で作る白州」。
グレーンウイスキーは「知多蒸留所」で作っています。
サントリーさんの誇るブレンデッド・ウイスキー「響」は、これら3つの蒸留所の原酒をブレンドしていますが、単一の蒸留所ではないですので、「シングル・ブレンデッド」にはなりません。
(サントリー響のコラムはこちら)
1つのメーカーが、これだけ著名な蒸留所をもち、シングルモルトからグレーンまで作っていること自体が凄すぎることなのですが、単一の蒸留所ではないのです。
「シングル・ブレンデッド=素晴らしい」という単純な話ではありませんし、味わい方は人それぞれですが、「新しい価値」を生み出したことは間違いありません。
最後に
味わいを伝えることは難しいですし、人それぞれの好みもありますが、「シングル・ブレンデッド・ジャパニーズ・ウイスキー 富士」は、なかなか美味しいです。
少しバーボンに近い味わいで、私はあまりバーボンを好まないのですが、バーボン感が強すぎませんし、品よくまとまっていまして、美味しく感じました。
昨今のジャパニーズ・ウイスキーブームもあり、若干お高めな価格設定という部分はありますが、手が出ない価格帯ではありませんし、「シングル・ブレンデッド」という唯一無二(かどうかは確実に断言できませんが)の新ジャンルです。
ウイスキーを語るには一杯飲んでおくに越したことございません。
Heiando Barは、現時点で「シングル・ブレンデッドの富士」と「グレーンウイスキーの富士」の両方がございますので、飲み比べてみる楽しみ方も可能です。
新しい価値を生み出したウイスキー、お試しください!
=関連コラム=
グレーンウイスキー|サントリー知多
グレーンウイスキー|キリン富士
サントリー響|山崎&白州&知多
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