日本橋室町(三越前)「130年の江戸前鮨」|蛇の市本店

今回は日本橋室町(三越前)にあり、130年を超える歴史の江戸前寿司「蛇の市本店」さんをご訪問。
老舗の寿司屋さんと聞くと敷居を高く感じる方も多いと思いますが、そこまで格式張った感じではなく、江戸っ子気質溢れる大将が握る和やかな雰囲気のお店です。


(5代目大将の寶井英晴氏)

蛇の市さんのランチ

仕事で日本橋界隈にいることが多いので、私はランチ利用で訪問させて頂いております。
ランチは「ばらちらし」「握り」が何種類かから選べます。
「ばらちらし」好きなので、いつもばらちらしを頼んでばかりいましたが、先日、せっかくなので握り8貫コースをお願いしたものがこちら。

個人的には「まぐろの漬け」最高でした。
煮穴子もさすがの江戸前鮨。
珍しいのが「卵焼き」
太巻き風になっていまして、酢飯を玉子焼で巻いています。
大将が大昔のレシピを参考に復刻させたものだそうです。


(こちらがお気に入りの特選ばらちらし。豪華絢爛です!)

塗りのカウンター


白木、黒塗、朱塗で構成されるカウンターが目を引きます!
元々は、白木、黒塗、白木という構成のカウンターでしたが、5代目寶井さんは不満があったようで相談を受けました。
すでに完成しているものに「手を加える」ということは、皆様が想像するより難易度が高く、大丈夫かな??と思う部分もありましたが、逆に、納期などに縛られない部分もありますし、チャレンジすることにしました。


黒塗の部分は、元々のもの。
朱色の部分が平安堂で仕上げたものです。
構成的に朱塗りが目立ちますね。
この塗りがお店の良い「アイキャッチ」になることを祈ります。

「蛇の市本店」さんは、日本橋室町地区の再開発にあたり、移転を余儀なくされた経緯がございます。
ですので、黒塗部分も、まだ新品同様。
こうやって並んでみても、違和感ない仕上がりで良かったです。

蛇の市本店さんのうんちく

蛇の市さんの歴史は古く、まだ、魚河岸が日本橋にあったころ、魚河岸の前で屋台を出していた、まさに江戸前鮨の源流のようなお店ですね。
創業は明治22年(1889年)とのことです。
初代「市太郎」氏が「蛇の目鮨」さんで修行をしていたことから、「蛇の目の市ちゃん」と親しまれつつ呼ばれていたようです。
当時は屋台ですので、屋号や店舗名というもの曖昧で「蛇の目の市ちゃん」がお店の名前代わりだったと伺いました。
店舗を構えるにいたり、この愛称が、現在の店舗名「蛇の市本店」さんになったと。
名付け親は文豪「志賀直哉」さんということで、歴史を感じさせるストーリーですね。

楽しみなこと〜

日本橋室町(三越前)という、今となっては高層ビルが立ち並ぶ日本屈指のビジネス街。
そこに佇む「蛇の市本店」さんには、「なぜ??」と思ってしまいますが、品の良い中庭がございます!!
5代目によると、ここにお客様がくつろげるようなスペースを検討しているとのことです。
また「テーブル席も塗りたい」というお話を頂いており、リニューアルOPENされても、思い描く未来は色々とあるようです。

130年にも及ぶ歴史あるお店にも関わらず、まだまだ追求を続ける姿勢に感銘を受けます。
せっかくのご縁で、このように、次の相談も頂けておりますので、平安堂としても、ご期待に添えるように頑張りたいと思います。

訪問したお店

店舗名: 蛇の市本店(じゃのいちほんてん)
お店のHPはこちら(公式HPがないようでしたので一休にリンクしています)
住所:東京都中央区日本橋室町1-12-10
営業時間: ランチ11:30〜14:00 ディナー16:30〜22:30 (LO:21:30)/日月祝日休み
電話番号: 03-3241-3566

ABOUTこの記事をかいた人

漆器 山田平安堂とHeiando Barの代表取締役。 昔はお酒が飲めなかったのに、今ではお酒マニア。 漆器とお酒の魅力を伝えます!