スコッチウイスキーの代表的な地域として、「ハイランド」「ローランド」「スペイサイド」「キャンベルタウン」「アイランズ」「アイラ」と6つに分けられるというコラムを書きました。
その際に「ローランド」は都市部にあることもあり、蒸留所が減ってきている、皆さんが口にするスコッチでローランドはあまりないというお話をしました。
(ローランド地域のコラムはこちらをご覧ください)
今回は、その「ローランド地方」で2014年に設立された新しい蒸留所が送り出したスコッチウイスキー「キングスバーンズ ドゥーコット」をご紹介します。
キングスバーンズ蒸留所
スコットランドの南側地方で作られるウイスキーを「ローランド」と呼んでいます。
前述の通り、それほど蒸留所も多くなく、誰もが知っている有名ブランドも少ないことは事実です。
アイリッシュ・ウイスキーと近いことから、その影響を受けていて、クリアで軽快な味わいが特徴の地域になります。
キングスバーン蒸留所は、2014年に設立。
執筆時点では10年にも満たない新しい蒸留所です。
規模も小さく、しかしながら、地元ファイフ産モルトのみを原料にするなど、「こだわりの少量生産」という立ち位置になる蒸留所となります。
キングスバーンズ ドゥーコット(KingsBarns Doocot)
そのキングスバーンズ蒸留所のメインとなる1本が、この度リニューアルされリリースされたドゥーコット。
こちらの特徴は「バーボンバレル原酒」と「STRカスク原酒」をブレンドしているところです。
バーボンバレル原酒とは、バーボンの樽で熟成させた原酒となりましてスタンダードな樽熟成の形です。
あまり聞き慣れない「STRカスク原酒」というものは、ウイスキー界では著名な研究家の方がいらして、その方は故ジム・スワン博士と言うのですが、その方が研究した熟成方法です。
赤ワインを熟成させた樽を再利用するのですが、その際に、内側をShave(削り)し、Toast(焙り)し、Rechar(再び焦がす)することにより、樽が再び活性化するというものです。
頭文字をとり「STRカスク」と呼ばれ、最近の流行でもあります。
再活性化した赤ワイン樽で熟成させた「STRカスク原酒」を使っていることが特徴の一つになります。
最後に
「歴史が浅い=熟成年数を重ねた樽がない」
これは、時間しか解決しません。
それに対する一つの答えが「STRカスク原酒」なのかもしれません。
実際に飲んでみると、若々しいウイスキーだなと感じますが、骨はしっかりとあり、十分に美味しいウイスキーです。
甘みが強い、ピートと呼ばれる燻製香が強いウイスキーが苦手な方には、クリアで美味しく楽しめるウイスキーかなと思います。
ウイスキーが年々高騰していくなか、熟成年数が若いこともありますが、手頃な価格帯で本格的なスコッチが楽しめることの価値は高いと思います。
今のうちに味わっておき、蒸留所の歴史と共に、その味わいの変化を楽しむ。
若い蒸留所ならではの楽しみ方も良いですね。
ローランド地域らしいスコッチ、お試し下さい!
漆器山田平安堂が運営する六本木のオーセンティックBAR
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