バックが付くカクテル|ジンバック・ブランデーバック・・・

かなり初期のコラム「カクテルの黄金レシピ」で、確立された配合で、有名なカクテルが何種類も作られているお話をさせて頂きました。
ベースとなるお酒を変更することにより、サイド・カーがXYZになり、ホワイトレディになり、バラライカになるという具合です。

このように、カクテルの世界にも一定のルール的なものが存在していまして、上記は配合部分でしたが、今回は「呼び名」の部分をご紹介したいと思います。

ジン・バック
見た目もキリッとしていますね。

バックという名のルール

ルールと呼ぶことが正しいのか良く分かりませんが、カクテルで「お酒の種類+バック」で呼ぶものは、基本的に作り方が一緒になります。
1番有名なものですと「ジン・バック」かなと思います。
この他「ブランデー・バック」「ラム・バック」あたりがオーダーの入るカクテルでしょうか。

この「バック」がつく場合は、指定されたお酒にレモンを絞り、ジンジャーエールで割るロングカクテルとなります。

好きなジンでジンバックを作って貰う頼み方もオススメです。
私はタンカレーが好きなので、タンカレー・バックです。

ジンバックは、ジンにレモンを絞り、ジンジャーエールで割る。
ブランデーバックは、ブランデーにレモンを絞り、ジンジャーエールで割る。
ということになります。

最近、居酒屋さんなどで創作ハイボールを良く見るなかで、「ジンジャー・ハイボール」というメニューがあり、これは、ウイスキーのジンジャーエール割りなのですが、カクテル風に言えば「ウイスキー・バック」ということになりますね。
焼酎で作れば、焼酎バック。美味しいかは分かりませんが、日本酒で作れば日本酒バックということになります。

ちなみに、バックはBackではなく、Buckというスペルになります。
雄鹿の意味があり、「キックのある飲み物」という由来とのことです。

ジン・バックとブランデーバック

レモンを絞り、ジンジャーエールで割れば、何でも「バック」になるのですが、実際にBARでオーダーの入る「バック」は、ほとんどが「ジン・バック」です。
ジン独特のパンチ力ある風味が炭酸とジンジャーエールの甘みでバランスされ、レモンの酸味で切れ味がでる。
雄鹿のキックと書きましたが、それを見事に表現したカクテルだと思いますし、人気があることも頷けます。
喉越し爽やかで、夏に飲んだら病みつくカクテルになっています。

こちらがブランデーバック。
味わいも優しくなりますが、見た目も優しい感じですね。

これに対して、たまにオーダーが入る「バック」が「ブランデー・バック」。
私は、ブランデーバックが大好きで、もっと多くの方に飲んで頂きたいなと思っていまして、飲まれたことのない方は、是非、試してみてください!!
ちょっとお酒に詳しい人っぽく見えるので、初めてのBARの一杯目のオーダーにもぴったりです。笑

ブランデーバックは、ジンバックのようなキレキレの感じがなくなります。
ブランデー単体で飲むときより、ジンジャーエールの効果かレモンの効果か分かりませんが、「はち蜜」に似た奥深い甘みを感じられます。
私は、この蜜感が美味しいなぁと感じてまして、ちょっと甘みの欲しいときにオーダーしています。
ジンバックのキレとは違い、優しい甘みを感じさせつつ、炭酸で喉が潤うカクテルです。

最後に

同じレシピでも、ベースのお酒が変われば味が違ってくることは当たり前なのですが、ジンバックとブランデーバックは、味が違うというより方向性が全然違ってきますので、なかなか面白い変化だなと思います。
似たレシピの場合、味は違えど方向性は似ていることが多いですので。
とはいえ、「バック」は、レモンを絞ってジンジャーエールで割るスタイルですから、基本的には「飲みやすく」「万人にうける」カクテルです。
ついつい、言い慣れた「ハイボール」や「ジントニック」にオーダーが偏りがちな方は多いと思います。
「ジンバック」と「ブランデーバック」を覚えておけば、キリッと飲みたいとき、心地よく飲みたいときに使えますので、是非、引き出しの一つに加えておいてみてください!

Heiando Bar ( He&Bar )
漆器山田平安堂が運営する六本木のオーセンティックBAR
港区六本木4-10-5-2F
六本木交差点より徒歩1分
03-6804-6388
お客様単価目安:2,500円〜3,500円くらい(2杯飲んで)
営業時間などの詳細はこちらをご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

漆器 山田平安堂とHeiando Barの代表取締役。 昔はお酒が飲めなかったのに、今ではお酒マニア。 漆器とお酒の魅力を伝えます!