Barを経営していると言うと、結構な確率で、趣味や遊び、下手すれば節税でやっていると思われてしまい悔しいのですが、もちろん、そのような気持ちでスタートした訳ではありません。
2017年にOPENしたのですが、やりたい気持ちは10年以上前からのことです。
資金的な問題や、経営の優先度の観点から、やっとOPENに漕ぎ着けられたのが2017年のことです。
私は漆器屋の息子でしたので、もちろん、一般の家庭よりも沢山の漆器に囲まれて育ちました。
その生活の中で印象に残っている漆器はいくつかありまして、1つは物心ついた時から15年くらい使い続けたお椀。
もう1つは、今でも使い続けている真っ赤な朱塗りのダイニングテーブルです。
このダイニングテーブルが、Heiando Barの原点です。
(塗り直しながら30年使い続けている朱塗のダイニングテーブル)
「食器としての漆器」
これは、皆さまから少し遠ざかってしまったとはいえ、多くの方がイメージする漆器のど真ん中だと思います。
これに対して、ダイニングテーブルは、インテリア、内装としての漆器で、皆さまにとっては馴染みが薄く、それでいて、私の中では長い人生の中で印象深い漆器であり、皆さまと私とで大きなギャップのある漆のプロダクトとなります。
ちなみに、私の住んでいた家は、漆器屋だから昔ながらの和風建築という訳ではなく、今どきの洋風の家でした。
ダイニングテーブルのことしか書きませんでしたが、リビングルームの扉も漆塗の扉になっており、これも印象深い漆器の1つです。
(リビングルームの扉を思い出して製作した個室の扉)
印象深いと控えめに書いてきましたが、端的に言えば、とても素敵なものでした。
現代のライフスタイルの中でも、充分に漆の美しさが発揮できるものでしたし、その空間を素晴らしいものに昇華させているものでありました。
しかしながら、漆のある空間がいかに素晴らしいか、素敵であるかを口で説明しても、やはり、なかなかピンと来るものでもないようです。
平安堂は家具をメイン商材にしておりませんし、今後も当面は家具を扱うわけではありませんが、
「漆のある空間」
を味わっていただきたい、経験して頂きたい、そして、私が伝えたかったことをリアルなものとして伝えたい。そして、漆そのもののファンが増えてくれたら嬉しい。
そう想い、具現化したものが「Heiando Bar」となります。
むろん、営業形態は普通のBARです。
漆が好きであるとか関係なく、普通のBARとして使って頂ければ、それはそれで嬉しいです。
ただ、少し、私のHeiando Barへの想いを書いておくことは大事だと思い、プロローグとして綴らせて頂きました。
次回からは、ちゃんとお酒にまつわる話を綴りたいと思います。
漆器山田平安堂が運営する六本木のオーセンティックBAR
港区六本木4-10-5-2F
六本木交差点より徒歩1分
03-6804-6388
お客様単価目安:2,500円〜3,500円くらい(2杯飲んで)
営業時間などの詳細はこちらをご覧ください。