聖地高野山|宿坊体験

仕事の関係で、念願の高野山を訪れることが出来ました。
今回は、漆器に関係したお話ではありませんが、なかなかユニークな体験でしたので紹介させて頂きたいと思います。


(かの有名な金剛峯寺を正面から)

  • 高野山とは
  • 旅路
  • 宿坊体験
  • 高野山とは

    弘法大師空海と高野山金剛峯寺。
    小学生の時に学びましたが、それ以上の知識はございませんでした。

    和歌山県にありますが、高野山という山そのものはありません。
    詳細は割愛しますが、1,000メートル級の山々に囲まれた標高800メートル付近の平地(盆地)を指しています。
    まず、高野山という山がないことに驚きました。

    また、予習なく訪れたのですが、ここは普通の街ではなく、完全に宗教都市、仏教都市として成立しています。

    総本山金剛峯寺を中心に100以上の寺院が隣接しあい存在しています。
    四方八方、見える景色の全てが寺院です。
    この景色にも、また驚かされました。。


    (インスタ映えしそうなところもありました)

    (仕事で伺った遍照光院さま)

    僅かなお土産屋さん、数珠などのお店、観光案内所などあるのもの、本当に、ほぼ寺院で埋め尽くされた街です。

    世界遺産になり観光名所の響きも若干ございますが、真言宗の総本山であり、仏教の聖地であり、類を見ない純粋な宗教都市。
    私の印象ではありますが、これが高野山でございます。

    旅路


    東京在住の私にとり、高野山への旅路は、現在においてもなかなか大変です。
    新幹線で新大阪まで行き、御堂筋線でなんば駅。そこから南海電車とケーブルカーを乗り継いで高野山。
    もしくは、関西空港に飛び、なんば駅に出て、南海電車とケーブルカー。
    あまり乗り物に乗っていることが好きではないので、私は、新幹線で京都駅。そこからレンタカーという選択をしました。
    車の運転は苦にならない性格と、現地で移動の手段があった方が便利かなという判断でした。

    京都駅から距離にして120キロくらいです。
    高速道路を乗り継ぎ、和歌山県の岸和田あたりで降ります。
    ここまでは楽ちんでしたが、ここからの山道はなかなか歯ごたえのある運転でした。
    特に最後、高野山まで登る峠道。
    むろん、これが日本一険しい道かは知りませんが、私が運転してきた道では断トツNo.1の険しい峠道。
    「息つく暇がない」がぴったりの険しい道でした。

    私は宗教に詳しくありませんが、「修行を行い悟りをひらく場所」と考えれば、これほどの場所はないのかもしれません。
    それほど厳しい立地場所です。
    ちなみに、温暖な気候の和歌山県ですが、高野山は別でして、相当厳しい寒冷地でもあるようです。
    立地、気候ともに厳しさのある場所となっています。

    距離にしてたった120キロとは思えない、楽しくもあり疲労感のあるドライブでした。

    宿坊体験

    初の宿坊体験です。
    本来は寺院に併設された僧侶の宿泊施設。その後参拝者も使えるようになり、現在では一般の方も泊まれるようになったという経緯のものです。
    ちなみに、私は楽天トラベルでネット予約。
    現代においては、決して特別な宿泊ではなく、身近な宿泊でありました。



    (一晩お世話になりました上池院さま)

    私は個室タイプでトイレと洗面所が付いている部屋を予約。
    今回は「萱堂 上池院」さんの宿坊に宿泊しました。
    100以上ある高野山の寺院のうち、半数に宿坊が併設されているようですから、選択肢は広いようです。

    なお、以下の宿坊体験は、上池院さんでの体験ですので、他の宿坊さんと一緒かどうかは定かではありません。
    その点はご了承ください。

    まず基本的には、旅館と民宿さんの中間のような佇まいです。
    私は個室タイプでしたが、個室タイプでない宿泊もありますから、共有の洗面所などもございます。

    宿につくと、予約した部屋に通され、宿帳を記入し、今後のスケジュールを確認します。
    仲居さんではなく、お坊さんが対応してくださいます。

    16:00くらいに到着しまして、その後のスケジュールは、

  • 夕食 18:00
  • お風呂 17:00〜21:00
  • 起床 6:00
  • 朝のお勤め 6:30
  • 朝食 7:00過ぎ
  • 朝のお風呂場は使えない
  • というものでした。

    ここ20年以上、朝風呂(朝シャワー)を欠かしたことのない私は、朝風呂禁止がちょっと辛いところでしたが、それ以外は「朝のお勤め」以外、至って普通の宿と一緒です。

    1番ユニークなところは「部屋に鍵がない」ことです。
    これ、どこの宿坊もそうなのでしょうか?
    部屋に金庫がありますので、貴重品はそこに入れれば良いだけのことですし、私は巨漢の男ですから鍵がなくても気になりませんが、普通の宿と1番の違いは部屋のセキュリティでしょうか。
    気になる人は気になりそうですね。


    (部屋番号もこう書かれると宿坊感ありますね。ちょっと独房みたいですが。笑)

    部屋は10畳以上ある広い部屋。
    もちろん和室です。
    テレビ、エアコンもあり、至って快適です。
    宿坊Wi-Fiも完備されていますので、ネット環境も問題なしでした。

    3月中旬に訪れたのですが、高野山はかなりの寒冷地でして、まだコタツが用意されていました。
    宿泊した日の夜はマイナス3度まで冷え込んだようでして、夜はコタツから身動きできませんでした。

    夕食は大広間ではなく、個室に脚付き膳で運んできてくれました。
    1人の食事を脚付き膳で食べるのも侘しさ満載でしたが、宿坊宿泊感満載でもあり、楽しく美味しく頂きました。


    (精進料理ですが、量はたっぷりの夕食)

    下膳してくれる際、布団もお坊さんが敷いてくれ、わりと至れり尽くせりです。

    大浴場も快適そのもの。
    長旅の疲れを癒やすに充分な広さでした。

    朝は6:00に起床。
    まあ、することなく早寝したのでもっと早く目は覚めていましたが。

    6:30の「朝のお勤め」に向け、本堂へ移動。
    スーツしかありませんでしたので、スーツで行きました。

    「朝のお勤め」は、お経を聞き焼香を行うというものでした。
    禅寺などでは座禅などもあるようですが、こちらでは朝のお経の時間を一緒に過ごすというものです。
    30分に及ぶものでしたが、しっかり正座でお勤めを果たしてまいりました。

    朝食も脚付き前で運ばれてきます。



    (朝ごはんは朱塗りのお膳でした。お寺ですので漆器利用率も高いですね。感謝感謝です)

    夕食も朝食も、もちろん精進料理ですが、味付けはしっかりしてあり、かつ、量が多いので満足感は高いです。
    食事そのものも美味しいです。
    大食漢の私で満足できていますから、普通の方でしたら多いくらいの量かもしれません。

    初めての宿坊。
    私はもっと、宿泊客に「修行的なことを求めてくる」宿泊形態かなと勝手に想像していました。
    それこそ、寺院の掃除をしたりなど。

    そういう宿坊もあるのかもしれませんが、私の宿泊した上池院さんは至って普通の宿泊形態。
    宿泊客しか見れないのか定かではありませんが、綺麗に手入れの行き届いた庭を散策したり、本堂での朝のお勤めなど、宿坊ならではの体験も出来ますので、むしろお得という表現が正しいか分かりませんが、良い宿泊だったなぁという感想です。


    (手入れの行き届いた中庭。宿泊した部屋より撮影)

    今回は仕事とはいえ、良い経験をさせて頂きました。
    皆さまも機会がございましたら、宿坊体験、お試しください!

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    ABOUTこの記事をかいた人

    漆器 山田平安堂とHeiando Barの代表取締役。 昔はお酒が飲めなかったのに、今ではお酒マニア。 漆器とお酒の魅力を伝えます!